口臭と思ったら実は鼻が臭かった!重症になると劇クサなので要注意

細菌、漠然と「自分の口臭が臭いんじゃないか?」と疑い、丁寧な歯磨きやフロス、マウスウォッシュに至るまであらゆる対策を講じたものの、それでもまだ臭い。

いったいなんでだろうと思って心当たりを探ってみたら「どうも鼻が怪しいぞ」とあなたは鼻に疑い始め、そして「鼻 臭い」などのキーワードでこの記事にたどり着いたのではないでしょうか。

「鼻そのものが臭いのでは?」というあなたの勘は当たっているかも知れません。口臭の原因の8割以上は口の中に原因がありますが、鼻に疾患(アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎など)を持っている人からも、見過ごせないほどの悪臭を放っているケースも少なからずあります。

鼻息(はないき)が臭くなる原因は主に「副鼻腔炎」「臭鼻症」「後鼻漏」の3つに大別されますが、この記事では、鼻が原因で起こっている口臭ならぬ鼻臭(びしゅう)について大別した3つの原因を深く掘り下げて解決法を提案していきます。

鼻が臭うという状態は、重病の一歩手前でもありますのでしっかりと対策を講じて早目に治すよう努力しましょう。

目次

1.黄色いドロっとした「臭い鼻汁」が特徴の副鼻腔炎(ふくびくうえん)

副鼻腔炎
Quote: ENT Doctor Cape Town | Dr Shabeer Ebrahim

副鼻腔とは、鼻の周辺にある4つの空洞のことで、副鼻腔に膿(うみ)が貯まってしまう病気を副鼻腔炎と言います。画像の黄色い部分が膿です。

耳鼻科の先生達は端折って「ふくびくうえん」を「ふくびくえん」と発音することが多いです

ドロっとした黄色い鼻汁が特徴の一つで、副鼻腔炎になると自分でも気付いてしまうくらい鼻息が臭くなることが多々あります。

副鼻腔炎は短期間(1か月弱)で自然治癒する場合がほとんどですが、まれに慢性化(3か月以上続く)して蓄膿症(ちくのうしょう)に進展する場合があるので要注意です。
※蓄膿症は現代では「慢性副鼻腔炎」という名称に呼び変えられています

副鼻腔炎は、多くの場合風邪から始まって鼻汁が出て、その鼻汁が副鼻腔に貯まってしまうことによって起きます。特に冷暖房をよく使う夏や冬に多く発生し、鼻と目の間に痛みを伴うようになると慢性してしまい、内科治療では治癒が困難になってしまいますので、早目に耳鼻科に行くようにしましょう。

副鼻腔炎は、ファイバースコープ(鼻から入れる電子顕微鏡)で鼻の状態を見ればおおよその検討はつきますが、副鼻腔の中までファイバースコープは入りませんので、確実なのは昔も今もレントゲン写真です。

鼻のレントゲン写真

最近のレントゲンは性能が良く、浴びる放射線量も昔よりだいぶ減っていますので気にするレベルではありません。

それよりも、レントゲンで膿がどれくらい貯まっているか確認したうえで適切な治療薬を決定してもらうほうがよほど有益ですのでメリットデメリットを冷静に判断しましょう。

風邪が悪化して進展した副鼻腔炎は「急性副鼻腔炎」といって、正しい治療薬を服用すれば2週間もあればほぼ完治しますが、放っておくと慢性化し、慢性化した副鼻腔炎(慢性副鼻腔炎)はかなりの悪臭を放ちますので初動対応(一日でも早く耳鼻咽喉科に行くこと)が非常に大切になります。

[d_box type=”map_pin” color=”red”]ごくまれにですが、カビ(真菌)が原因で起こる真菌性副鼻腔炎(しんきんせいふくびくうえん)という病気があります。老人や、他の病気などでステロイドホルモン剤や免疫抑制剤を治療薬として使っている患者さんにこの症状が出る場合があります。鼻の片側だけに症状が出るのが大きな特徴です。[/d_box]

2.鼻の穴そのものが臭い!臭鼻症(しゅうびしょう)とは?

臭鼻症(鼻臭症とも言う)とは、鼻の穴そのものが臭い症状のことを指します。

現代医学では原因までは特定できていませんが、においの原因はばい菌であることは分かっており、何らかの原因で鼻の穴にばい菌が大量に繁殖してしまっている状態であることは間違いなく、塩水が洗ったり耳鼻科で鼻を洗浄してもらうという非常にアナログな治療が案外治ってしまうこともあります。

前述した副鼻腔炎も、臭鼻症と同じで「鼻そのものが臭い」ので副鼻腔炎なのか臭鼻症なのか分別が難しいですが、臭鼻症は副鼻腔炎のような特徴的な黄色いネバっとした鼻水は出ず、どちらかというと鼻の穴が乾燥してしまっている状態である場合が多いので、おおよそどちらなのか(副鼻腔炎なのか臭鼻症なのか)は検討がつくかと思います。

治療のアプローチとしては、まず副鼻腔炎を疑って治療に入り、それでも鼻息が臭い場合は鼻の穴そのものを疑い、洗浄するなどして治療を行います。

臭鼻症が、原因がはっきりしていないため安易に強い経口薬などを服用するのはおすすめしません。まずは家庭でできる対処法として塩水による鼻洗浄を行ってみてください。

[d_box type=”map_pin” color=”red”]臭鼻症(しゅうびしょう)そのものは、現代ではほとんど見られない非常にまれな病気ですので、鼻息が臭いと感じたならば臭鼻症は「最後に疑う」ようにしてください。[/d_box]

3.鼻水がノドの奥に貯まって固形化する後鼻漏(こうびろう)

後鼻漏の図
Quote:HealthLink BC

後鼻漏とは、風邪や花粉症、アレルギー性鼻炎などで出る大量の鼻水がノドに落ちていく過程で、ノドや舌の根元付近に鼻水が付着し、それが原因でヒドい匂いを発臭する病気です。

舌苔(ぜったい)と呼ばれる舌の根元付近に付着している黄色いコケのようなものは後鼻漏によって起こるとも言われていて、爪の先などで軽くひっかくと簡単に取れるのでもしご自身に舌苔があるのなら臭ってみてください。

結構ショックなほど臭いと思います。そして、自分で臭って「くさい!」と思う状態は、他人はその倍くらい臭いを思っていると考えて間違いないと思います。

3-1 悪化すると最悪の場合肺炎にまで進行します

口と鼻は喉の奥の咽頭(いんとう)と呼ばれる部分でつながっていて、後鼻漏は主に咽頭の鼻寄りの部分(上咽頭)に鼻水が固まってしまう病気です。

また、それだけにとどまらず、中咽頭にまで鼻水の塊が固形化して付着してしまうと、激しい咳(せき)が起こり、咳を続けることで気管支炎になり、さらには最悪の場合は肺炎にまで進展してしまうこともありますので、「たかが鼻水だろう?」と後鼻漏を甘くみると痛い目にあいます。

3-2 後鼻漏は息そのものが臭くなる

口を押さえる女性

肺から咽頭(口と鼻が交差している部分)を通過して吐き出される息(いき)は、後鼻漏によって固まってしまった鼻水(ばい菌のかたまり)を通過しますので、鼻息も口の息もどっちも臭くなります。

歯周病や虫歯、食べかすなどが原因で起こる通常の口臭は、自分では気づきにくいケースが多いのですが、後鼻漏は自分でもはっきり気づくくらい息が臭くなります。

自分でも気づくくらい臭いと感じたなら、後鼻漏が重症化している可能性がありますのですぐに耳鼻咽喉科にいって診てもらってください。

ただし、設備が整っていない古い耳鼻咽喉科だと後鼻漏の重症化が発見できず、見当違いの治療をされてしまうこともありますので、ファイバースコープを使って診察してくれるような設備の整った耳鼻咽喉科に行くようにしてください。

ファイバースコープ
Quote:Fiber Optic Scope of the Nasal Passage

上咽頭と中咽頭は、いわゆる「喉の奥見せて。あーん」での目視では確認できない場所であるためファイバースコープによる診断が必須になります。
※主に咽頭の上側に鼻水が付着します

ファイバースコープでみれば、原因が何なのか一発で分かり、正しい経口薬を処方してくれますので、2週間もあれば十分完治が可能で、完治すれば後鼻漏がによる臭い息ともオサラバです。

4.まとめ

耳鼻咽喉科

「鼻が臭い(くさい)」と感じたなら、躊躇することなく耳鼻咽喉科に直行してください。

副鼻腔炎が悪化して慢性化すると蓄膿症(慢性副鼻腔炎)になり、最悪の場合外科手術が必要になりますし、後鼻漏が原因で起こる臭い息は、上咽頭および中咽頭にバイ菌’(鼻水)が固形化し、それを追い出すために咳が止まらなくなり、そのまま放っておくと気管支炎や肺炎にまで進展してしまうこともありますので十分に注意が必要です。

極単な話かもしれませんが、歯周病や虫歯、食べカスなどがが原因で起きる通常の口臭で命に関わることはまずあり得ませんが、鼻息そのものが臭い場合は、重症につながるケースがありえるということです。

なお、後鼻漏が原因の場合は、耳鼻咽喉科に行くとともに、セルフケアとして、後鼻漏が原因が原因で起こる舌苔(舌の上のコケのような付着物)を取り除いてください。

舌苔そのものもかなり臭いので、それを取り除くだけで口臭がかなり軽減できます。

ただし、舌苔の取りすぎは危険ですので、歯ブラシで取り除くことは厳禁です。シリコン製の舌クリーナーが安価で売っていますので、それで取り除くようにしてください。

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