【歯科医が勧める】自宅での子供の口臭対策は3つに分けて実践しよう

子供の口臭

子供の口臭
Quote:Denturist Oakville – The Dental and Denture Office

子供が小さい時は全く気づかなかったし気にもならなかったのに、ふと気づいたら

「あれ?もしかしてこの子の口臭くない?」

とお子さんの口臭が気になり出したあなた。気のせいかと思い翌日またそっと嗅いでみると確かに臭い。自分の子供なのに瞬間的に顔を背けてしまうほどに臭いにショックを受けているのではないでしょうか?

でも安心してください。子供の口臭は親であるあなたがしっかりと対策してあげれば必ず治りますし、臭いどろか良い匂いに変えてしまうことも決して不可能ではありません。

この記事では、「子供の口臭」に焦点を当て、原因と対策について解説したいと思います。かわいいあなたのお子さんの口臭を必ず改善してみせますので、しっかりと読んで書かれてあることを一つ一つ実践してみてください。

目次

1.子供の口臭の種類は大きく分けると3つあります

糖尿病や腎不全などの内臓系に疾患を抱えることで強い口臭を発する大人と違い、子供の口臭は以下の3つに整理されます。

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  • 口腔内の問題(歯周病と虫歯、舌苔)
  • 鼻や喉の問題(鼻炎など)
  • ストレス(学校や友達関係など)

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2.口腔内の問題(歯周病と虫歯、舌苔)

口腔内(こうくうない)の原因は「歯周病」「虫歯」「舌苔(ぜったい)」の3つに分かれます。それぞれ解説していきます。
※口腔内とは「口の中」のことです

2-1 子供の4割が歯周病にかかっている

歯周病とは、簡単に言うと歯茎(はぐき)の炎症です。
※歯茎は歯肉と同義語です

歯周病

歯と歯茎の間に、健常者であれば1mm程度の深さの溝(歯周ポケット)があり、そこに歯磨きで落としきれなかった食べカスが貯まり、その食べカスに口腔内の悪玉菌が集まってきて食べつくすととこに悪玉菌はその場で固まっていき、やがて固形化していきます。

この固形化した悪玉菌をプラーク(歯石あるいは歯垢)と言います。プラークは、言ってしまえば「ばい菌の塊」ですので強い臭いを発します。これが歯周病による口臭の正体です。

厚生労働省の調査によれば、日本人の子供の約4割が歯周病にかかっているという統計になっていますので、子供の口臭が気になりだしたらまずはお近くの歯医者に連れていくことが子供の口臭対策の第一歩になります。

歯周病を止めるためには、プラークを専用の歯科医療器具で除去する必要があります。

プラークはどんなに高級な電動歯ブラシなどを使っても取ることは出来ませんので、お近くの歯医者か、あるいは小児歯科でプラークを取り除いてください。これで口臭の半分くらいはなくなると思います。

なお、プラークは歯周病を引き起こすだけでなく、虫歯の原因でもありますので、特に大人の歯に生え変わったなら、プラーク除去はお子さんの一生の「歯の美しさ」に関わる重大な問題ですので、面倒でも必ずお近くの歯医者に行ってプラークを取り除くようにしてください。

2-2 虫歯は臭い

改まって解説するほどではないですが、虫歯は臭いです。虫歯は、ばい菌が歯を喰い荒らす病気です。つまり、虫歯には大量のばい菌がいることを意味しますので、当然臭いです。

腐った魚が猛烈な悪臭を発するのはご存じだと思いますが、あれはばい菌の臭いです。虫歯も同じで、虫歯が臭いのは歯がばい菌だらけだからです。ですので、口臭予防には虫歯治療は必須なのです。

ちなみに、虫歯は歯の病気で歯周病は歯肉(歯茎)の病気です。虫歯は歯そのものがばい菌で汚染され、歯周病は歯肉がばい菌で汚染されます。どちらも放置しておくとかなりの臭いを出しますので、お子さんの口臭が気になりだしたら、まずはお近くの歯医者にいって虫歯および歯周病予防をしてもらってください。

2-3 舌のコケは専用器具で取り除きましょう

口腔内の口臭の原因の最後は「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる舌の上についているコケのような白い付着物です。

舌苔は、食べかすや細菌(バクテリア)など、原因が多岐に渡っていますので、「これ」という特定が難しいので舌苔そのものへの対策は非常に困難です。

しかし、舌苔はただの付着物ですので歯医者に行かなくてもご家庭で簡単に対策できます。

amazonや楽天などで「舌クリーナー」と検索してみてください。ゴム製やリシコン製の柔らかい素材の舌クリーナーが良いと思います。

舌クリーナー

逆にオススメしないのがブラシタイプのものです。

舌は繊細にできているので必要以上にブラシでこすると炎症を起こしてしまい、その炎症が原因でさらなる口臭を引き起こしてしまうことになりかねません。

舌ブラシ

ゴム製やシリコン製の柔らかい舌クリーナーで1週間に1度くらいの頻度で十分ですので、軽く舌苔を取り除いてあげてください。軽くで大丈夫です。やりすぎは禁物です。これだけでも随分とお子さんの口臭が軽減されると思います。

3.鼻や喉が原因で口臭になる場合があります

歯医者にいって歯周病の元であるプラーク(歯石)を除去し、虫歯もきちんと治したとします。普通ならこれで口臭はだいたいおさまるケースが多いのですが、歯医者に通った後でも口臭が収まらない場合があります。

その場合は、鼻や喉(のど)を疑ってみてください。

3-1 鼻づまりは口臭の元

アレルギー性鼻炎などで恒常的に鼻が詰まっている場合、必然的にあなたのお子さんは口呼吸をしていることになります。

口呼吸がなぜいけないかというと、口の中の唾液が乾いてしまい菌の繁殖を抑えられなくなってしまうからです。

口の中には300~500種類の何億個という常在菌が住み着いていて、中でも強い臭いを放つのが通称「悪玉菌」などと呼ばれる細菌です。

口腔内には腸と同じで善玉菌と悪玉菌が住み着いていて、鼻呼吸ができるお子さんなら唾液の浄化作用によって悪玉菌の増殖を防いでくれますが、口呼吸で常時口内が乾燥した状態だと、悪玉菌が繁殖して強い臭いを発します。

寝る時に唇にテープを貼ったり、フリーズライトのような鼻腔拡張テープも効果はなくはないですが、一生の問題ですのでお近くの耳鼻咽喉科に行って口呼吸を辞めされるためにはどうしたらいいか相談してみてください。

噛み合わせだったり、アゴの形を変えるなどして口呼吸を改善する口腔外科治療が可能な歯医者さんも探せば見つかると思いますが、「呼吸」の専門医はあくまで耳鼻咽喉科の先生ですので、お子さんの口呼吸が治らないなら耳鼻咽喉科を訪ねてみてください。

3-2 いわゆる「におい玉」に要注意ください

「におい玉」って聞いたことがないでしょうか。咳をしたときなどにポロっと喉からはがれて出てくる黄ばんだ塊(かたまり)のことです。

膿栓(におい玉)
Quote:Current Health Articles

正式名称は「膿栓(のうせん)」と言います。扁桃腺(へんとうせん)にある「陰窩(いんか)」という場所に貯まった細菌の塊で、猛烈な臭いを発生させます。

多くの場合、うがいをすれば除去できますが、うがいで取れない場合は耳鼻科に行って取り除いてもらってください。におい玉は喉の覗くとチラっと見えたりしますが、喉は繊細に出来ていますので決してピンセットなどで取るような真似はせず、耳鼻咽喉科で取り除いてください。

「におい玉」自体は、実は誰にでもできるのですが、うがいの習慣がないお子さんなどでにおい玉が長期間ノドにへばりついていると、口臭の原因になりますので十分にご注意ください。

におい玉は常温のお茶でうがいをすることが効果的と言われていますので、食後にお茶でうがいをするのも良いかも知れませんね。

4.ストレス(学校や友達関係など)

子供の口臭の最後の原因として挙げるのは「ストレス」です。

ストレスは、体を酸化させます。酸化というのは「サビ」のことだと思ってもらえればだいたい合っています。

「ストレスは万病の元」というのは医学的にも証明されていることで、ありとあらゆる対策(歯科治療や耳鼻科通院など)を講じてもお子さんの口臭が取れない場合は、最後にストレスを疑ってみてください。

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  • 学校関係
  • 友達関係
  • 家庭環境(親からの過度の期待など)

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などなど、多感になる思春期(小学校高学年から中学くらいまで)に口臭が強くなった場合は、口臭の原因がストレスであるケースも十分に考えられます。

ストレスを無くすことは簡単なことではありませんが、お子さんと向き合って一緒になってストレスの原因を断ち切る努力をしてあげてください。お子さんと同じ方向を向いて一緒に歩みを進めていくことが大切です。

4-1 ストレス性口臭のメカニズム

ストレスがかかると舌の動きが悪くなります。

舌の動きが悪くなるとどうなるかというと、唾液が分泌されにくくなり、唾液によって除去されるべき口腔内の悪玉菌が増殖し、口臭につながるのがストレス性口臭のメカニズムです。

今この記事を読みながら、口を閉じて舌で上下の歯の表面を舐めまわしてみてください。唾液が出てきますよね。食事の時もこれと同じメカニズムで、食べ物を口に入れて動かすことで自然に舌が動き、それをきっかけに消化液である唾液が出るのです。

ストレスがかかって舌の動きが悪くなると、この反対の現象(唾液が出ない)が起きるということです。

対策方としてはシュガーレスのガムが一番だと思います。ガムを噛むと必然的に舌が動いて唾液が出てきますので、ある程度口臭は抑えられると思います。

ちなみにですが、キシリトールは人工甘味料ですのでキシリトールガムは甘い味がして食べやすくなるというだけで、キシリトールが虫歯の予防につながるわけではないということを頭の片隅に入れておいてください。

5.寝る前の歯磨きとフロスは必須

就寝前の歯磨きとフロスや歯間ブラシは必須です。歯磨きはもちろんですが、歯磨きだけでは歯間の食べカスは除去できず、特に口呼吸のお子さんに食べカスが残ったまま寝てしまうと、食べカスに常在菌である悪玉菌がたかってきて増殖し、寝起きに強烈な臭いを発生させてしまいます。

面倒だと思いますが、寝る前の歯磨きとフロスは親が仕上げに至るまで徹底的につきあってあげてください。

「歯磨きしなさ~い」

ではダメってことです。

6.アメリカでは小学校入学まで親がフロスをしている

口臭に対して大変厳しいアメリカの事情を見ていきましょう。

アメリカは医療保証制度が無いに等しいので、子供を歯医者に連れていって治療しようものなら、1回の治療で2万円近く治療代がかかることはザラです。

大金持ちでもない限り、そんな大金払えるわけがありませんので、アメリカでは歯医者に行かないですむよう自宅でのセルフケアが基本中の基本です。

少なくとも小学校にあがるまでは、仕上げを含めて朝晩の歯磨きに親が付き合うのはもちろんのこと、特に就寝前は親がお子さんにフロスをして丁寧に食べカスを除去している家庭も少なくありません。

お子さんにフロスをしてあげる
Quote:Plackers Dental Flossers | Plackers

歯の美しさは当然ですが、もし自分の子供から臭い息が出るような事態になれば、それは子供ではなく「親の恥」というのがアメリカ社会です。

アメリカの親御さんのようにやってあげてください、見習ってください、とまでは言いませんが、少なくとも仕上げくらいは毎晩付き合ってあげてください。

7.まとめ

お子さんの口から強い臭いがするとショックをうけると思います。また、口臭を指摘することでお子さんが傷つき、それがストレスとなって、ストレス性口臭を引き起こしてしまうことも考えられます。

お子さんの口臭対策の「基本のキ」は寝る前の歯磨きとフロスです。まずはそれを徹底し、それでも収まらなければ歯医者にいったり耳鼻科にいったりしてしっかりと口臭の原因を除去してあげてください。

ここまで書けばうすうす感じ取っていただけたと思いますが、子供の口臭の原因は、言ってしまえば「親」であるあなたにあると思ってください。

歯磨きの仕上げはお母さん

しっかりと仕上げまで含めて歯磨きを手伝ったり、歯医者や耳鼻科に連れていったり、ストレスが貯まっていないか対話で感じ取ったりと、お子さんにしっかりと向き合ってさせいればお子さんの口臭は普通は起こりませんし、起こったとしても必ず治せます。

面倒くさい気持ちは分からないでもありませんが、あなたの宝物であるお子さんの口臭を治せるのはあなたしかいないということを理解していただきたいと思います。

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